救世軍の活動

ACTIVITY

社会鍋 CHRISTMAS KETTLE

社会鍋は私たち救世軍がクリスマスシーズンに行っている、生活に困窮している人々を支援する為の街頭募金運動です。三脚に吊るした鍋と紅白のたすきが目印で、俳句の季語にもなっている年末の風物詩です。(募金を入れてもらうために設置する鉄鍋のこと自体も「社会鍋」と呼びます。)

社会鍋は全世界の救世軍で行われており、クリスマスシーズンに行われることから「クリスマス・ケトル(Christmas Kettle)」の名称で親しまれています。

社会鍋の様子

社会鍋のルーツ

社会鍋のルーツは、遠くアメリカのサンフランシスコにあります。それは、いわゆる「1893年恐慌」翌年のことでした。不景気のためアメリカの貿易は振るわず、失業した船員たちが多く出ました。そのような失業者の家族に、温かいスープを提供しようとした救世軍士官がいました。ジョセフ・マクフィー大尉です。

彼は、クリスマスが近づいたある朝、船雑貨屋のショーウィンドーに、三脚につるした船員キャンプ用の黒壺を見つけました。早速、それを買い求め、繁華街の入り口に立て、「救世軍のスープ接待にご協力ください」と記した看板をぶら下げて、募金を呼びかけました。

このユニークな募金方法は多くの人々の心を動かし、次々にコインが黒壺の中に投ぜられました。そして、翌年以降アメリカの各地でおこなわれるようになりました。日本でのはじまりは日露戦争直後、失業者が多かった当時、最も暮らしにくい年末年始のために、餅やミカン、足袋などをかごに入れて貧しい家庭に配った正月のプレゼントとして始まりました。1909年(明治42)からは失業者救済対策として、他の国で行われていた「クリスマス・ケトル」をヒントに現在の形になりました。

「集金鍋」「慈善鍋」「社会鍋」と名前を変えながら、寄せられた献金の用途も広がってきました。現在では、様々な救援活動(国内外の緊急災害被災者や街頭生活者への支援)や各種の慰問活動(母子家庭、一人暮らしの高齢者、病院、各種施設など)のために用いられています。

人々が助け合う”愛のしるし”

失業した船員の家族を思いやり、温かいスープを提供しようとしたマクフィー大尉の心、そこには、

群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた

(マタイ9・36)

主イエスの心、また、強盗に襲われ傷ついた旅人を見て憐れに思い、手厚い介抱をしたサマリア人の心(ルカ10・33~35)に促される思いがあったのでしょう。 「憐れみ」という言葉は、内臓が痛むほどに人を慈しむ神の愛を表しています。そうです。彼は、彼を救いに導いてくださった神の限りない愛を覚え、その愛に倣って、愛の業を始めていったに違いないのです。

日本における歳末助け合い街頭募金の元祖とも言われる社会鍋。これは、「本当の意味で人と人とが助け合うとは何か」を示した歴史的募金と言えるでしょう。主イエスは言われました。

施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。

(マタイ9・36)

また、こうも言われました。

受けるよりは与える方が幸いである。

(使徒20・35)

社会鍋は、名乗ることも、領収証を求めることもなく、鍋の中にお金を投じる人々の無償の善意、そして、歴代の救世軍人たちの無償の奉仕による、主イエスの教えを体現した「真の助け合い」運動なのです。

また、社会鍋は多くの人々の善意に訴え、その善意を引き出す「愛のしるし」でもあります。かつて、私の知人はこう言いました。

「年末になると、社会鍋だけには、必ず入れるよ。」

多くの人々のご協力をいただき、その善意をお預かりするために、社会鍋は今年も街頭に出ていくのです。再臨の時、主イエスは、尊い奉仕の業に従事したすべての人に、ほほえんで、こう言われるでしょう。

「あなたは本当に良いことをしましたね。」

そこには、究極的な「祝福と喜び」が備えられているのです。

さらに社会鍋について詳しく知りたい方は
こちらをご覧ください。

「社会鍋物語」を見る

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