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救世軍国際ニュース
2018.05.26(土)

第21代 救世軍大将 選出される!

救世軍最高会議は、2018年5月24日、ブライアン・ペドル中将(参謀総長)を、第21代救世軍大将に選出しました。



5月17日(木)に英国ロンドンのルネッサンス・ホテルで開催された最高会議は、19日(土)にウェストミンスター・セントラル・ホールで公開歓迎集会を行い、翌日に9人の大将候補者を指名した。指名を受諾し大将候補者となったのは、ブラッド・ベイリー中将(アメリカ中央軍国司令官)、ウィリアム・コクレーン中将(ノルウェー及びアイスランド軍国司令官)、ケネス・ホッダー中将(アメリカ西部軍国司令官)、ジェーン・パオーネ中将(スイス・オーストリア・ハンガリー軍国女性部会長)、ブライアン・ペドル中将(参謀総長)の5人。

23日(水)、最高会議は大将候補者に対する質問事項を作成した。(この日、ブラッド・ベイリー中将は辞退)

第21代救世軍大将を投票で選出する24日(木)は、万国祈祷会(毎週木曜早朝に大将の呼びかけで行われている全世界一致での祈祷会)をもって始まった。最高会議チャプレンのマーク・ティルズリー中将(万国本営)の導きで、世界の救世軍の5つのゾーン(ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、南アジア、南太平洋及び東アジア)ごとに祈祷課題を挙げた。祈祷課題ごとに、そのゾーンの会議員が入れ替わって立ち、他のゾーンの会議員が取り囲んで祈りを献げた。最後に、祝福のコーラスをもって祈りの時を閉じた。

会議の冒頭、最高会議議長であるブリジット・ブレッケ-クリフトン中将(万国本営)は、最高会議のスタッフと通訳者に対し謝辞を述べ、引き続き、前日の会議で用意された質問事項に沿った大将候補者による演説が休憩を差し挟まず次々におこなわれた。演説の順番はくじ引きで決められ、演説に対し会議員は賛意や反意を示すことなく、沈黙して聴いた。

休憩後、チャプレンは『救世軍歌集』(英語版)975番「救い! おお、喜びの響き!」を導き、デボン・ホートン中将(カリブ軍国司令官)が使徒言行録7章51~60節を朗読し、チャプレンは「困難な状況にもかかわらず、ステファノには最後に天が開かれて確信が与えられ、彼は人々に対する心の痛みをもち続けた。…大将候補者だけでなく最高会議の会議員全員が、聖なる確信をもって立つように」と勧めを述べた。『救世軍歌集』「イエスのようにしてください」(コーラス60番)が歌われ、イボンヌ・ウェストラップ中将(ニュージーランド・フィジー・トンガ軍国女性部会長)が聖霊の導きを祈り求めた。

続いて投票に入り、会議員は沈黙のうちに厳かな聖なる任務を遂行した。その結果、ブライアン・ペドル中将が第21代救世軍大将に選出された。

新大将に神の祝福がありますように!

(万国本営クリスティン・クレメント少佐報)

ブライアン・ペドル中将

ブライアン・ペドル中将略歴

救世軍カナダ・バミューダ軍国の士官で、ニューファンドランド州の出身。『キリストと共なる者』の学年(1975-77)候補生として訓練を受けた。1978年に結婚。小隊長、士官学校教官、連隊本部、本営など様々な任命を受けた。

2007年にニュージーランド・フィジー・トンガ軍国の北部連隊長、2009年に大佐の階級をもって英国及びアイルランド軍国の書記長官、2011年7月に中将の階級でカナダ・バミューダ軍国の司令官に任命された。2014年9月に万国本営に移り、アメリカ・カリブ地域担当万国書記官に任命され、2015年11月に、参謀総長に任命された。カナダのサイモン・フレイザー大学で救世軍幹部士官養成課程を履修している。

ブライアン・ペドル中将による、参謀総長就任時の証言より

ブライアン・ペドル中将

(前略)私は一代目の救世軍人です。私の青年時代、私の両親は教会員でしたが、住まいの地域にあった教会で満足できなくなり、隣の地域にあった救世軍に通うようになりました。

救世軍はとても活気に満ちていました。合唱、バンド、歌われる曲も全く知らない曲でした。聖書にあるようにタンバリンを使って、ハレルヤ! と賛美する人々が本当にいるんだ! という驚きが、教会から来た私にはありました。教会がこんなに生き生きとして魅力的な所だとは知りませんでした。救世軍は私の心を掴みました。小隊に行くようになってから初めてのイースターのことです。私は座席に座って泣いていました。自分でもなぜだか分かりませんでしたが、その涙は私の罪に関わることでした。その時、16歳の私には何が起きているか分からなかったので、応答は先延ばしにしました。その後、救世軍に通うようになり、青年たちのグループに属して仲間に入っていきました。次の段階として、士官志願者のセミナーに招かれました。神の召しの声は明確になり、机を見つけると、すぐに士官志願書に記名したのでした。両親は、私が15歳の時に初めて救世軍に行きました。私は18歳で士官学校に入校。20歳になる前に任官されました。

今なら早すぎると言われることでしょう。当時はそういうことがあったのです。ロザリーとは1年候補生の時に出会いました。彼女は2年候補生でした。神様は特別な計画を持っておられます。私の初任地はニューファンドランドの小さな村の小隊でした。若い中尉として息子のように受け入れてもらい、日曜日には小隊長として接してくれました。私が戦友を世話する以上に戦友が私の世話をしてくれたと思っています。そのことは、彼らの喜びにもなっていたようでした。

やがて、私はロザリーと結婚して、宣教の働きを共にしました。それは本当に豊かで深く、輝かしいものでした。ロザリーは、人に対する洞察力に優れていて、私の賜物、才能を強め、確かなものとしてくれました。私が、人々と握手しながら部屋をあちこちと移動していると、人々は実にたくさんのことを話しかけてきます。そんな時、ロザリーは私の人々との対話の隙間を埋めるように人々と対話をしてくれるのです。彼女には、人々と親しくなる天性の力があります。何かあるごとに、彼女とお互いに得た情報を共有しています。様々な人から聞いた情報を集めるために。私たちは、人々の思いに寄り添いながら共に働きを進めていますが、ロザリーはそれらを、実に地に足のついたものへと現実化させていきます。私が物事の表面的なことに目をとめがちなのに対して、ロザリーは、それを深めていくのです。

私たちは、宣教における同等のパートナーです。今でもお互いの良いものを与え合い、共に織り合わせるように奉仕しています。私は、独身の献身者であっても、既婚の献身者であっても、それぞれが中傷されることなく献身者である、という救世軍の考え方を大切に思っています。

私たちは、とても良いパートナーです。家族にとっても、士官としての任命においても。私には、ロザリーなしの38年にわたる士官生活は想像できません。すべての任命が、次の新しい任命への備えとなりました。英国及びアイルランド軍国に書記長官として任命されたことは、私を形づくりました。あれほど忙しく働いたことはありません。本営での任命の経験のないまま、連隊長から任命を受けたのですから。私は、司令官だったジョン・メーター中将に言ったことを覚えています。「もし英国及びアイルランド軍国での2年間の書記長官の経験がなかったら、私の母国カナダ軍国の指導者となる勇気はなかったでしょう。」同様に、万国書記官としての数年の経験なしに、現在の新しい役割は考えられません。万国書記官として、救世軍の抱える万国的な課題についての会議に出席したので、状況をすでに理解しています。すべてについて知っているわけではありませんが、見識をもっていますし、そのことに感謝しています。

参謀総長として最も大切なことは、大将を支え、救世軍の万国的な働きについての議事内容を前進させることです。私の明確な役割は、大将の管理部門、人事部門、業務部門の負担の軽減です。私には、大将が可能な限りにおいて、幻をもち、霊的洞察をもって、国際的なこの働きが果たせるために、世界中を飛び回れるようにする、という明確な役割があります。(中略)

大将はすでに、万国的な課題を明確にしています。それは、第一に、大将の在任中に、責任に関することを救世軍の目的に適って前進させることです。そのための四本柱は、管理運営(ガバナンス):どのように救世軍を運営していくか。財政:財政の仕組みとして、どのように現在行っている働きを維持していくか。安全管理:私たちの責任下にある、幼い子どもから高齢者に至る人々の保護。効果の測定:明らかな成果の確保です。人の変革や困難な状況にある若い世代の家庭に希望をつくりだすことにおいて私たちは、どのように神の国の成長を測ることができるでしょうか? できること、また、それぞれの場所でなされている働きの測定を通して、救世軍として保持する必要があることを明らかにするのです。他にも課題はあります。国際的な指導性の維持と、救世軍人が直面している、民族的、道徳的な問題です。具体的なこととして、ヨーロッパでの活発な対話である人生の終末に対する理解や、同性愛、性同一性障害などに関する明確な言及などの問題があります。それらの問題に、神につけるもの、クリスチャンとして、聖書的な理解と立場で分けへだてなく関わる必要があります。

救世軍に対する祈りは、神様がいつでも救世軍の中心におられ、人々に仕える、どこにおいても神様の御心が行われる、ということです。すべての救世軍人が、かねてより、聖潔と表現してきたように、神様のご臨在を現実化する者として、神の御心を無視したり、脇に置いたりすることなく、どんな時にも神様のご臨在の中にすべてのことをなすものであってほしい、と思っています。

(英国及びアイルランド軍国発行『サルベーショニスト』2015年11月21日号より)

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