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救世軍国際ニュース
2010.02.10(水)

ハイチ地震緊急支援活動 8

救世軍万国本営サイトの記事より

ハイチ情報: 生存者たちの物語

(救世軍万国本営サイト、2010年2月10日付)

ケリー・ポンツラー少佐はアメリカ人の救世軍士官でありハイチの救世軍広報担当士官として働いているが、救世軍の緊急支援活動に関係のあった人々の話を紹介してくれた。

1) ジャン・ロベール・ベルネディン

あなたがこれまでなんとかやってこれたと実感しているその人生が崩壊したら、あなたはどうするだろうか? ジャン・ロベール・ベルネディンの実話は、もしそうなってもなお前進すべきだというものである。1月12日にポルトープランスを壊滅させた地震は、ジャン・ロベールの妻と母、そして生計手段を失わせたが、彼は心が折れることを拒み、救世軍に助力して幾万ものハイチの同胞に支援を提供している。

ジャン・ロベールは国連に雇用されていたが、ポルトープランスの国連施設が崩壊した際にその仕事も無くなってしまった。しかし手をこまねいてじっとすることなく、ジャン・ロベールは仕事を求めてポルトープランスの空港敷地へ向かった。そこで彼は救世軍の物資輸送チームに出会ったのであった。国連要員の服をまだ着ていた彼は、その1日の仕事に加えられ、品物を移動させた。彼の真面目さと律儀さは最初から目を見張るものがあり、1日のはずだった仕事はすぐに2日、3日となった。

救世軍輸送業務チームに加わったジャン・ロベール・ベルネディンをロン・リー少佐が歓迎
ジャン・ロベールは自分の境遇が変わったことを、自己憐憫や激情を交えることなく、詳しく語った。彼が言うには、仕事が癒しになるのだという。彼は過去を忘れようとしているのではない。妻と母のことを彼はまったく残念に思っている。しかし彼の目は将来を見据えているのである。今や十代の青少年2人と1人の乳児にとって唯一の養育者となった彼は、自分のなすべき務めを自覚している — これらの子どもたちを育てること、立派に育て上げることである。そのために何を求められようと、彼はそれを果たすであろう。

ジャン・ロベールは現在、救世軍緊急支援チームの輸送業務助手として参加している。彼の人望、能力、指導力は、作業現場に彼を欠いては困るというほどのものがある。そして救世軍の支援活動はジャン・ロベールのおかげでより良いものとなっている。

2) 「ドーラ」と「ボアズ」

先週土曜日(2月6日)は配給の日であった。救世軍とワールド・コンサーン(World Concern:人道支援団体)による合同支援で、救世軍の土地に隣接するキャンプ地で生活している3,200の登録世帯に衛生用品キットと水容器を配った。物資を配布するのに充分な人手があったので、わたしは後ろに下がって広く見渡すことにした。

暖かい日で、救世軍の敷地はいつものように埃っぽくなっていた。人間の活動による廃物とその他の残骸が、救世軍の土地に掘られた穴の中で日毎にどんどんうず高くなっている。悪臭は強烈である。以前に連隊本部があった構内の中庭はテントの町と化しており、地震のために家を離れた人々を収容している。衛生環境は良くも悪くもないという程度 — バケツ一杯の水がまだ貴重品である。

「ドーラ」、「ボアズ」と一緒のケリー・ポンツラー少佐
このような中で、6歳と3歳の、2人の少女が生活している。先週の土曜日、彼女たちは衣服の上にカートゥーン(マンガ)のキャラクターのステッカーを付けて、明るい日差しの下で走り、踊り、笑っていた。一人はドーラ(Dora the Explorer)のステッカー、もう一人はブラッツ(Bratz)のステッカーを付けていた。2人の名前を教えてもらうことができず、わたしたちはそれぞれのステッカーから思いついて、ドーラそしてボアズと呼んだのであるが、彼女たちはそれに喜んでいるようであった。悪臭を感じていないかのようであり、通路の反対側で行われる配給も関係無いといった様子で、この2人の少女は精気に満ちていた。彼女たちはフランス語とクレオール語が入り混じった会話で、激しく笑ってはいろんなことを話しまた爆笑するという有様であった。

わたしは「ドーラ」と「ボアズ」と遊び、写真を撮り、女の子同士の会話を楽しんだ。彼女たちの家族はこれを黙認してニコニコ笑いながら見ていた。知っていた人はあるだろうか? その日、埃にまみれた敷地の中にこんな巨大な喜びに満ちた小空間があったことを、それが2人の幼い少女という媒体に凝縮されていたことを。

未来というものは、彼女たちがそれを見る時まで、何を隠し持っているのだろうか。なんにせよ、ある土曜日の午後の短い時間、彼女たちはこの世界のことを何も心配していなかった。わたしもそうであった。

ハイチ地震に対して救世軍は直ちに対応した。これについて(救世軍の)国際派遣要員は迅速に地元の救世軍人と合流した。現在までに150万食分の配給をしたが、それとは別に救世軍はポルトープランスにある自軍敷地周辺で生活している2万の人々について公的な責任を負っている。(救世軍の)診療所では一日に250人以上を扱う状態が続いており、プチ・ゴアーヴ、ジャクメル、ラフォニ、バランでも救世軍による支援活動が行われている。

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