依頼前テスト_2019/11/9 (土) 京橋小隊バザー
- バザー
パプア・ニューギニアのある遠隔地方で部族間の闘争が26年続いたが、救世軍では彼らの銃器を聖書と交換するプログラムに戦士たちを取り込み、その戦いを終結に導いた。
魔術への批判がきっかけで始まった戦闘は、それぞれオカパ地区の集落すなわち、ズグ、タロ、タワンサルの各集落による軍団と、アムサ、タロトゥ、フサ、タカイトゥの各集落による軍団との間で戦われた。この地方は僻地であり、政府機関や集落の指導者たち、非政府組織(NGO)いずれも和平に導くことができなかった。各村に入ることができた人々はいずれも様々なキリスト教団の教職者であった。
男の子は戦士となるように育てられた。男の子を生んで育てた母親たちは失望感と悲しみをもって、その子が後に父親と同じく手に武器を持って戦うようになるのを見守るだけであった。際限の無い戦いが終結することを望んで、男の乳児を殺すという、極端な手法を選ぶ人さえあった。
戦闘していた各部族は近年になって、救世軍による集落発展および改善促進(Community Advancement and Reform Enhancement: CARE PNG)プログラムがミサピの支部によって行われていることを聞いた。ミサピの士官(牧師)であるマイケル・ヘムノ大尉とCAREの現場担当者ダニー・グレンドゥムが戦闘地域を訪れ、平和というものが持つ潜在力について人々の関心を高めたのであった。
2008年11月、救世軍は1週間の平和研修プログラムを用意し、これにはディヴァイン・ワード大学の学生に助力を得た。両陣営の部族から男女それぞれの長が40人ほど参加した。彼ら全員が7日間、夜も昼も一つ屋根の下に滞在した。共に食事をし、会話をし、共同生活をしたのである。これは新しい時代を始めるための困難な試みであった。現役の戦士たちやオカパ地方で最も強い影響力を持つ魔術師たちもこのグループに加わっていたのだ。
長たちはこの研修を、ハイランズ地方流の「ムームー」(熱した石を使う蒸し焼き料理)で締めくくった。戦いを終了と、平和の始まりを象徴して。平和を取るか否かの決意に各部族が関与し、これが和平への道筋の出発点となった。
それからほぼ1年になる頃、平和の式典が行われ、敵対状態の終結が宣言された。
この儀式のために救世軍の指揮官たちはヘリコプターで移動した。— あまりにも辺境の土地であり、そこにたどり着くにはそれが唯一の現実的な方法であった。荷物が厳しく制限された結果、300冊の聖書がミサピから村人たちによって3日間の徒歩で運ばれた。
特別ゲストは、ハンス・ファン・フリート大佐補(書記長官)とマーヤ・ファン・フリート大佐補であった。2人はジェイムズ・コッカー少佐(人事書記官)に伴われたが、同少佐は以前、別の訪問機会に徒歩で村を訪ねたのであった。それからデイヴィッド・テミン少佐も同行、ハイランズ地方内の当該区域における救世軍活動を管轄する連隊長である。
1,000人を越える人々が式典までやって来た。中には数日の旅程をこなした人もあった。
ハンス・ファン・フリート大佐補は会衆に対して、この機会が地域の新たな出発点であると語った。「部族間の闘争が何をもたらすかをあなたがたは知っています。親類縁者が大勢死んだのです。」「長であるあなたがたは、わたしたちの前で約束をするばかりではなく、神の前においても約束をするのです。あなたがたは自分の思いと心と魂の内側を変革しなければなりません。」
大佐補は、村人たちの生活の新しい局面はそれぞれ隣人への愛情と思いやりのあるものであるべきだと語った。そして2匹の豚が贈呈された。戦闘の両陣営に各1匹ずつ、和平の努力への感謝の証として。
武器を聖書と交換している最中、一人の男性が若い息子を伴ってきた。その少年は銃を持っていた。男性は涙ながらに語った、息子が武器を使用することも自分が経験したような人生を息子が歩むのも嫌だった、他の部族と平和に生きていくことができる人になるように息子には望んでいた、と。父と子はそれぞれ聖書を手にして去った。
両陣営各部族の長たちは、国と州の政府に要請して、彼らに当てられるべき開発資金を、地域内において主要な3つのキリスト教団 — ニュー・トライブ・ミッション、ルーテル教会、救世軍 — に割り当てようとしている。地元住民のための保健センターや学校をこれらの教団に建設してもらおうという考えである。
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